2008年1月15日火曜日

Gershom Scholem

私が敬愛してやまない故ショーレム氏。知る人ぞ知るカバラの権威。哲学者のベンヤミンやブーバーとは知り合いだった。兄のWernerはドイツ共産党の議員で、ナチによって暗殺された。
http://en.wikipedia.org/wiki/Gershom_Scholem

今回はちょっとカバラのお話。カバラの意味は伝統。ソロモン・ベン・イェフダー・イブン・ガビーロールがこう呼び始めた。カバラで重要なのはまずセフィロト。

この幾何学的なやつが生命の樹。カントールの集合論とも深い関係にある。セフィラは単数。神は無限なのだが、セフィロトは有限。セフィロトはコンピュータとよく似ている(もちろん無理数はあつかえるけど)。ところで、現在のコンピュータ業界で多くのユダヤ人が活躍されていることはよく知られている。アンティキティラの機械、ダヴィンチ、計算機の歴史は長いが、論理機械であるコンピュータの歴史にユダヤ的な考えが流れていることは余り知られてない。

世界で最初に自動計算機(プログラマブルじゃない)を作ったWilhelm Schickardはヘブライ語の学者。彼は天文学の計算やヘブライの文法のための機械を作っていた。オリジナルは火災で破壊されたそうだ。また、二進記数法を編み出したライプニッツの普遍学(アルス・コンビナトリア)、ルルスの大いなる術(アルス・マグナ)もカバラが影響している。そして建国者であるコロンブスやトーマス・ジェファーソンがユダヤ人でアメリカ大陸が「約束の地」だったり、今のFRBの錬金術やコンピュータ、ロボット、ゲーム業界や学界におけるユダヤ人の地位に結びつく。興味があれば東大大学院情報学環の西垣通教授の著作でも触れてください。