2008年10月3日金曜日

共産党

金融危機、資本主義崩壊と、騒がしい世界だが、共産党がネットや若者に人気を伸ばしているそうだ。日本の共産党というのも地方議員数が1位、政党助成金を拒否して政党の収入も1位、衆院議員の世襲もゼロ、海外では政界の「番犬」と言われている世界でも珍しい共産党である。京都と大阪が基盤である。京都は工業都市でもあり、製造業が強く、工場よりベンチャーが集まっている。大阪は商業都市であるが、共産党が強いのが東大阪である。工場の密度が東大阪市は1位であり、ローテク・ハイテクともに全国で1、2を争う。つまり、工業プロレタリア、メタルカラーとブルーカラーであろうが、中小企業の支持が大きいようである。後は堺市、大阪市で強い。橋下さんも府営住宅のことで助けられたから黒田了一以来に訪れたという。東京であると港区や大田区でも強い。先進国の共産党を見ると中心としているのは都市、特に工業都市や学術都市が多いように思える。例えば西側最大のイタリア共産党(改称した今日の共産系も)も経済力があり、工業地帯が密集しているイタリア北部(赤いボローニャ・ミラノ・フィレンツェ)が拠点だった。最近では北部同盟が強いが、その初代書記長のボッシも元共産主義者であった。北部同盟は転向した元共産党が多いという。戦前のドイツ共産党もベルリンやハンブルクといった都市で強く、ベルリンでも第1党であった。戦後も東ドイツ共産党を継承した民主社会党・左翼党がベルリンで強い(シュテルン、シュピーゲルによるとドイツではマルクスが再評価されているという)。フランス共産党もパリ郊外の工業地帯が拠点である。アメリカ共産党もユダヤ系が多いニューヨークで強かった。職場・学園であるとトヨタや東大に党員やシンパが多いと言われている。

ネットでどうして人気が出てるかと言うと色々あるようだ。共産党の活動がネットに合っているとか、今日の政治が駄目であるからとか、某匿名掲示板のキャラと志位委員長がかぶるとか。でも投票するかどうかの問題は別であろう。

若者で特に支持しつつあるのが30代男性と言われている。所謂受験戦争や就職氷河期の世代であり、元々社会への関心が高いと思われる。日本の政治動向は学生運動や新左翼が60年代に挫折、70年代は革新自治体、80年代は保守化、90年代前半は旧社会党がやや有利だったが、後半で没落といったものだった。こう見ていくと21世紀が共産党の時代であるのかもしれまい。