2008年7月20日日曜日

コスモポリタニズムから生まれた世界帝国の野望

世界征服といえばアレキサンダー大王だが、その世界征服の野望がコスモポリタニズムからきていたかもしれない。多くはその家庭教師だったアリストテレスからきていると言われるが、そうだろうか。アレキサンダー大王が強く影響を受けたのがディオゲネスである。このシニシスト(犬儒派)がアレキサンダー大王をどうして魅了したか。それはその硬い心である。社会についてコスモポリタニズム以外に、女性や子供の共有を唱えた点でプラトンと似ているし、ディオゲネスも共産主義者と言うべきだろう。ディオゲネスはアナキズムの祖と言われることもあるが、海賊に自分ができるることをたずねられた時に「人を支配することだ」と言ったという。この平和主義が暴力主義へと変貌する過程を最も如実にあらわしているのがマルクスの共産党宣言で言った「プロレタリアの世界の獲得」とソ連の世界革命だろう。岡田斗司夫も世界革命も世界征服だと言っていたが、ソ連の「革命の輸出」や「民族解放」も確かに侵略だった(一国社会主義論でインターナショナリズムから世界最大の領土を持つ赤い帝国主義と化したが)。戦前日本の大東亜共栄圏(共産圏?)やネオコンの「強いアメリカによる民主主義の輸出」のイデオローグにも元共産主義者が多かった。国際連合も初代事務総長から共産主義と関係があったし、EUやそれに似た同盟も共産主義に対抗するためにできたものだろう(統一協会も)。ウィルソンが当初レーニンを歓迎していた事実も興味深い。これが今やグローバリゼーション(インターナショナリズムからグローバリズムへ)であり、サンデルが言った共産党宣言にある資本主義の世界化である。