2008年8月5日火曜日
ネグリの「時間」と心理学について
ネグリは「未来への帰還」(バック・トゥ・ザ・フューチャー?)とか「時間機械」(タイムマシン)を標榜しているけど、私からすればそれは人間をタイムマシンだとするものである(未来の記憶?)。原始共産制は先史時代のものであるが、唯物史観によるとそれが生産力の発展によって高度共産主義として蘇る。亡霊の意識化である。このタイムマシンの使い方を誤れば奴隷制や封建制に遡ってしまうこともある。擬似科学で太古まで記憶が共時的に共有されていて催眠療法によってタイムスリップすることができるというものがある。ユングやライヒ、フロムのように一線を越えてしまえばトンデモであるが、この心理は実はトランスパーソナル(私的個的所有を超越した心理)ではなく、インターパーソナル(繋がっている深層心理)と言える。そしてそれは上部構造に対する下部構造であり、「無」意識というより「下意識」である。フロイトは唯物史観は一面において正しいとしたが、まさにこういうことではないだろうか。