2008年2月18日月曜日

バグズ・ライフ

バグズ・ライフ
監督:ジョン・ラセター, アンドリュー・スタントン
1998
前回のハリウッドとレーニン生物学的分業を止揚せよ!!に絡んで今回はディズニーの昆虫に関する映画。CGも凄いが、階級闘争のような設定と科学的なディティールに私は惹かれた。
バッタはエクソシストにもあるように古くから恐れられている。侵略型宇宙人もイナゴに似ているが、近いのは資本家ではないか。共産主義に触れてそのメカニズムを節足動物にファーブルが見出していたとか(完訳ファーブル『昆虫記』)。そういえばファーブルが蠅(ハエ)を「プルードン主義者」と罵っていた。そのプルードン曰く蟻や蜂に似た集団が共有制(共産主義)だという。ここに私はアナキストとコミュニストの対立を見出す。社会性昆虫も超分業であり、共産主義的群知能だ。それは私が言う超越的存在を置く「本質的」共産主義である。生殖虫が供給主体で、それ以外が平等にプロレタリアート(子すら持たないワーカー)という共産主義である。ソビエト共産主義もそうであった。それは実存的ではない。昆虫が共産主義のメタファーとなったのは「宇宙の戦士」ではないか。アリといえばアリス、アリスの女王といえばアカの女王じゃなくて赤の女王仮説。共産主義であるためには予測し続けなくてはならない、生命体8472に注意せよ!!動物農場の昆虫版があったら面白い。